




明治後期生まれの三代目店主・幸次郎考案。
終戦、経済復興に伴い堅焼きで保存のきく
せんべいが主流となる中、汁物に半生もちもちの天保せんべいを入れるのが大好きだった
幸次郎は、堅焼きで美味しい汁物用せんべいの
再現を目指した。
主食級に肉厚で、煮込んでも溶けにくく、どんな出汁もよく吸いモチモチ美味しく、他店とは全然違うと根強い人気の逸品。
実は最も古い伝統のせんべいで
堅果雑穀せんべいが主食だった
とてつもなく古い時代の名残の逸品でもある。
縄文遺跡が多くアイヌ語由来の地名の多い
南部地方。粉食好きで虫歯だらけだった
縄文人の粉食―どんぐり、ナラ、クヌギ、とち、クリ、クルミ等―は、江戸末期・天保飢饉まで
立派な保存食として庶民の命をつないだ。
縄文遺跡からはせんべい状粉食が出土し、
「シトギ」もち原型のアイヌうばゆり粉食
「シト」の二番粉は、五円玉状に乾燥させ
紐を通し囲炉裏上に保存し汁で戻し主食とする。
正にこれがせんべい汁、おつゆせんべいの起源と
言える。
これら縄文、エミシの粉食は北奥の女達が
かまどで守り続け、江戸末期の天保大飢饉後
栽培を認められた小麦粉で作るようになり
八戸城下から半ナマでもちもちの
パンケーキのような「てんぽせんべ」が
南部一円、各家庭のかまどに普及した。
てんぽせんべは、くるみ入りの甘味噌を挟んだり
お赤飯を挟んだり、サンドイッチのような軽食、
こびりっこ、として現代でも当地で購入可能だが
実は日常ではとにかくご飯代わりに色んなものをおかずとして常食され、汁物全般なんにでも
入れコトコト軽く煮込んんで味を染みさせても
食べられた。
明治維新後、帰商政策により「天保せんべ」を
専門に作る「せんべ屋」が増加し、生活様式も
変わり出す。
自分で焼く保存性のない「てんぽ」よりも、
しっかり焼き締め保存性が高く、熟練の技を
必要とする「せんべ」が主流となった。
幸次郎のおつゆせんべいが確立したのは
そんな生活様式と食文化の過渡期の事だった。
南部せんべいという呼称が登場したのは
ようやく第二次世界大戦が終わってからの事。
女達が守り続け、庶民の日常に深く根ざした
当地ではごくありふれた常識の食文化ゆえ
はっきりした起源も由来も忘れられ、
日本最古の南部せんべい店たる当家にのみ
こうした軌跡が口伝として伝わるのみである。
「せんべ」こそ、北奥の女達がいのちとともに
紡ぎ守り続けた、縄文と南部を結ぶ
たましいの食べものだ。
時の川を越え、北奥の女達がはるか縄文から
守り紡ぎ続けた、祈りのような命のような
このたましいの食べものを守り続けたい。
それが弊店のささやかな願いです。
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食べ方:鍋・スープ・汁もの・すき焼など、お好みの食材と一緒にやわらかくなるまで煮込んで下さい。
茹で時間:〇のままだと15分、四つ割りで10分程度
特徴:煮くずれしにくいモチモチ食感。汁に少しとろみがつきます。
【三代目幸次郎のおつゆせんべい】
◎原材料名:小麦粉(国産)、瀬戸内海塩/重曹
◎内容量 :8枚
◎原材料に含まれるアレルギー物質(28品目中)
小麦
◎賞味期限:製造から90日
◎保存方法:直射日光を避け、冷暗所で保存してください。開封後は、お早めにお召し上がりください。
◎縁(ミミ)の部分は製造に必要ですが、薄く欠けやすい特性を何卒ご了承願います。
◎小麦、落花生、卵、乳、ごまを含む製品と共通設備で製造しています。
◎品質・包装には十分注意しておりますが、万一不都合がありましたら外装ごと現品をお送りください。送料を添えお取替えさせて頂きます。
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〈配送について〉
昔ながらの製法を守り少人数で作っています。そのため配送手配はお支払い・ご決済後、一週間程にさせていただいております。
また、8月、12月の弊店繁忙期前後はご発送までに最大10営業日程かかる場合もございます事を予めご了承ください。
梱包には細心の注意を払っておりますが、配送中に割れてしまう場合があります。ご了承ください。
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